TOP > ニュース・トピックス > お知らせ >  「努力は“スキル”である」― 卒業生が明かす、目標達成のための自己管理術

2025.08.17

 「努力は“スキル”である」― 卒業生が明かす、目標達成のための自己管理術

本校の卒業生である浅田庄太郎さんを招き、在校生との座談会を開催しました。浅田さんは、マレーシアのインターナショナルスクールから日本の高校へ進学し、慣れない環境と第一言語ではなかった日本語の壁を乗り越え、国際バカロレア・ディプロマプログラムを優秀な成績で修了しました。

今回の座談会は、「在校生がアカデミックスキルをどう身につけるか」というテーマから企画されたもの。寮生活を送りながら、勉強、課外活動、スポーツ、イベントの全てに全力で取り組み、最終的には日本語で8000字の論文を書き上げた浅田さん。その経験から、後輩たちは何を学び、どのようなヒントを得たのでしょうか。当日の様子をレポートします。

  • ゲスト紹介:浅田 庄太郎さん

小学校から中学校までの10年間をマレーシアで過ごし、インターナショナルスクールに通う。第一言語は英語。「日本人として日本語を話せるようになりたい」との思いから、高校進学を機に日本へ。本校で国際バカロレア・ディプロマプログラムを履修し、卒業。この夏から、マレーシアのモナッシュ大学で商学とコンピューターサイエンスを学ぶ予定。

秘訣その1:タイムマネジメントの鍵は「睡眠」と「自分ルール」

多くの生徒が悩むタイムマネジメント。寮生活を送り、IBの課題や課外活動に追われる中で、浅田さんはどのように時間を管理していたのでしょうか。

「絶対に徹夜はしない」というポリシーを持っていた浅田さん。その秘訣は「自分の中で優先すべきことをはっきりさせる」ことでした。彼にとっての最優先事項は「睡眠」。

「睡眠が足りないと集中できず、3時間かけても、眠くない時の1時間分の成果しか出せないこともありました。だから、12時半には必ず寝るように心がけていました。」

さらに、自分だけのルール作りも効果的だったと語ります。

「僕の場合は『釣り』が中心でした。大好きな釣りに行くために、朝の活動にきちんと参加し、授業に遅刻せず、勉強もしっかりやる。『これをやらないと、あれはできない』というルールを作ることで、やるべきことに自然と取り組めました。」

具体的なタスク管理としては、付箋を活用していたそうです。机に「やることリスト」を貼り出し、常に目に入る状態に。終わったら剥がすというシンプルな方法で、タスクをこなし、達成感を得ていました。

秘訣その2:「自分を知る」ことから始めるスケジュール管理

スケジュールを立てる上で浅田さんが重視していたのは、**「自分自身の集中できる時間を知ること」**でした。

「タイマーを置いてみて、自分がどれくらい集中できるか、何時間睡眠がベストなパフォーマンスに繋がるかを実験しました。僕の場合は、90分が最も長く集中できる時間だと分かったので、それを1コマとして、授業のようにスケジュールを組み立てていました。」

土曜日を例に挙げると、朝一番の集中できる時間帯にIA(内部評価課題)などの難しい課題を90分行い、昼には釣りでリフレッシュ。寮に戻って再び90分勉強し、夕食でエネルギーを補給する、というサイクルを確立していたそうです。

トライアンドエラーを繰り返しながら、自分自身を理解し、最適な学習リズムを自ら作り上げていく。この主体的な姿勢が、彼の学びを支えていたのです。

秘訣その3:スランプは「気分転換」と「睡眠」で乗り越える

誰にでも訪れるスランプ。アイデアが浮かず、勉強が手につかない時、浅田さんはどうしていたのでしょうか。

「そんな時は、散歩や釣り、スポーツなど、好きなことをして気分転換します。勉強ばかりしていても脳が疲れてしまう。一旦勉強から離れることが大事です。」

さらに、ユニークな方法として「寝ている間に脳に任せる」というテクニックも紹介してくれました。

「エッセイなどで行き詰まった時、そのことだけを考えてから寝ると、朝起きた時に新しいアイデアが浮かんでいることがあるんです。寝ている間に頭の中で情報が整理される感覚です。考えて考えて考え切って、遊びなどを挟まずにそのまま寝るのがコツです。」

この「睡眠学習法」には、他の参加者からも共感の声が上がりました。

質疑応答:後輩からの質問に答える

座談会後半では、在校生から多くの質問が寄せられました。

Q. どうしても眠い時はどうしていましたか?

「その時はもう寝ます。無理せず1時間半などの仮眠をとり、その分、朝早く起きて終わらせる。眠い時に無理やり続けるより、頭がスッキリした状態で取り組む方が効率的です。」

Q. やらなきゃいけないけど、やりたくない時は?

「周りを見ていました。自分がやりたくないと思っている時に、友人たちが頑張っている姿を見ると、『自分もやらないと』という気持ちになりましたね。あとは、何も考えずにとりあえず手をつけてみる。始めて15分もすれば、意外と集中モードに入っていることが多いです。」

おわりに

「勉強はあまり好きではなかった」と意外な告白をした浅田さん。しかし、国際バカロレアで学んだエッセイなどは、単なる暗記ではなく「自分の考えを言語化し、人に伝える時間」と捉え、面白さを見出していたと言います。

今回の座談会を通して、生徒たちは「努力は才能ではなく、意識的な習慣と工夫によって身につくスキルである」ことを学んだようです。自分を知り、自分に合ったやり方を見つけ、時には休みながら、楽しみを見出す。浅田さんの経験は、日々の学習に奮闘する生徒たちにとって、大きな励みと具体的なヒントになったことでしょう。

浅田さん、貴重なお話をありがとうございました。今後のご活躍を心から応援しています。

Related article

関連記事

Contact

お問い合わせ

電話でのお問い合わせ

0120-43-5931

【受付時間】9:00〜19:00

TOP > ニュース・トピックス > お知らせ >  「努力は“スキル”である」― 卒業生が明かす、目標達成のための自己管理術